オフィス空間における完全ワイヤレス給電技術の実証

COMPANY INFORMATION

会社名 エイターリンク株式会社
ホームページ https://aeterlink.com/
本境地 JAPAN

ABOUT

エイターリンクはワイヤレス給電によって配線のないデジタル世界を実現するスタンフォード発のベンチャー企業です。代表の田邉は9年間スタンフォードでバイオメディカルの研究を行っており、その一つに世界最小のペースメーカーがあります。このペースメーカーに対して、体外から体内に動力源を確保するためにワイヤレス給電の研究をしておりました。エイターリンクは送信機側、受信機側それぞれにユニークなパテントを有しており、従来のマイクロ波ワイヤレス給電に比べて約20倍の給電効率を有します。エイターリンクの技術は(1)17m先への長距離給電が可能。(2)双方向のデータ通信が可能。(3)あらゆる角度に給電が可能といった特徴を有します。現在、ビルマネジメント、FA、バイオなどの様々な業界の企業とプロジェクトを進行しており、デジタルツインを実現するためのキーテクノロジーとして期待されています。デジタルツインの実現にはビッグデータが必要であり、それを支える大量のエッジデバイス(各種センサなど)が必要です。配線やバッテリといった従来の技術では、コストや工数の問題で取得できなかった範囲のデータもワイヤレス給電の活用により取得可能です。エイターリンクは市場を切り開いていく企業とともに世界に新しい価値を提供していきます。

PROJECT

タスクアンビエント空調の実現に向け、実際のオフィス環境での利用を想定した、実環境下でのワイヤレス給電の実用性の確認と、オフィス環境下でのシミュレーションを実施しました。

①竹中工務店との実証実験

【目的】

当社ワイヤレス給電技術の実環境下での給電量と伝送距離の検証

【場所】

竹中工務店東京

【実証内容】

実際に920MHz帯送信出力1Wのマイクロ波ワイヤレス給電を用いて、LEDライトやキャパシタへ給電し、伝送距離や給電量を計測する。

【参考】

PRTIMES

②東京建物とのシミュレーション解析

【目的】

オフィス全体をワイヤレス給電空間にするために必要な送信機の数や種類、設置条件の検証

【場所】

東京建物提供図面(今回は図面内の区画12m四方を切り抜き、天井高さ:2.8m/天井から受信機までの高さ:2.1mを想定)

【シミュレーション内容】

東京建物から頂いた図面を基に概略化した3Dマップを作成し、ワイヤレス給電による給電量の分布を検証する。

RESULT

①竹中工務店との実証実験

【実証実験結果】
  • 最大15メートル離れた場所でもLEDライトが点灯することを確認
  • テレビ裏など、金属体が障害する環境でも、LEDライトが点灯することを確認
  • キャパシタ(100μF)へ3.385mw給電ができたことを確認
【実証実験からわかること】

エイターリンクの技術を用いることによって実環境下で省電力デバイスを稼働させることが可能。

②東京建物とのシミュレーション解析

【シミュレーション結果】
  • シミュレーション空間内全体に高効率の電磁界を展開することに成功。
  • 理論上、環境センサ稼働に必要な給電量が確保できることを確認。
【実証実験からわかること】

理論上、6m間隔で天井に送信機を設置することにより、オフィス環境下を全体的に高効率で電磁界を発生させることが可能。オフィス全体をワイヤレス空間にすることで、様々な省電力デバイスを配線なしで設置可能となる。

【プログラム外での取り組み】

①・②の取り組みを踏まえて、プログラム外で大手空調機器メーカーとさらなる実証実験を行った。

【目的】

オフィス環境下で環境センサを稼働できるかの検証

【場所】

共同実験先所有のシールドルーム(縦7m×横11m×高さ3m)

【実証内容】

920MHz帯送信出力1Wのマイクロ波ワイヤレス給電を用いて、
想定実環境下(天井高さ2.8m/受信機の設置高さ0.8m)でバッテリや環境センサへ給電を行い、実際の給電量を計測する。

【実証実験結果】
  • バッテリに対して十分な充電量が確保できることを確認。
  • 実際に想定しているセンサがワイヤレス給電によって稼働し、データの取得が可能であることを確認。
【実証実験からわかること】

当社で開発予定の環境センサー(温湿度、照度、Co2複合型)が必要とする消費電力(0.05mW予定)の20倍以上の充電量を確保できた。シミュレーション通り、当社技術による環境センサの無線稼働が十分に可能。

【結論】

オフィス実環境下で、ワイヤレス給電対応の無線稼働センサを用いた、タスクアンビエント空調システムの実現が可能。

今回、実証実験の対象とした環境センサと同様の省電力デバイスにも給電できる可能性が高く、様々なセンサを用いたデジタル空間の形成を目指していく。

今後について

本プロジェクトにより、当社技術で環境センサを無線稼働させることができると考えており、2022年度頃の製品化を目指し、随時実証実験や開発を実施していきます。
次回の実証実験では実際のオフィス内でセンサと空調システムを連結し、ワイヤレス給電によるタスクアンビエント空調の実現を検証します。参加を希望される企業様がいらっしゃいましたら、下記問い合わせ先までご連絡お願いします。
また、当社技術はオフィス環境だけでなく、オフィス裏への給電も可能であり、漏水センサへの給電など様々な領域での事業展開を目指していきます。

エイターリンクはAirPlug®(あたかも空気中に電源プラグがあるかのように、電源プラグの場所に囚われずにセンサを設置できる、という意味)の製品群名で、ビルマネジメントシステムに限らず様々な業界への事業展開を目指しています。ワイヤレス給電の市場は2021年の5月に法改正が行われるなどこれからの市場です。世界に対して新しい市場を切り開いていく企業との協業を望みます。

【問い合わせ先】

担当:小西
Email:konishi@aeterlink.com

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