2025年07月16日
Seed Accelerator Program(シードアクセラレータープログラム)を運営するOpen Network Lab(以下「Onlab」、読み「オンラボ」)は、日本初のシードアクセラレータープログラムを2010年に開始し、2025年に15周年を迎えました。これまでに累計160社のスタートアップを支援し、うち3社がIPO、20社以上がEXITを果たしています。年間約2回のペースでスタートアップ支援プログラムを開催しており、2025年6月時点では、第30期のプログラムが進行中です。
そんなOnlabが、2025年6月27日に「Open Network Lab 15th Anniversary Party」を開催しました。「世代をつなぐ、挑戦を讃える」をコンセプトに、Onlabを卒業した起業家をはじめ、歴代メンターや運営メンバーなど約200名が一堂に会し、起業家によるトークセッションのほか、設立15周年を機に新設された「Onlab Alumni Award」授与も行われ、Onlab卒業生起業家たちの挑戦を讃え、コミュニティのつながりを改めて祝う場となりました。
※以下敬称を省略します。
Contents
Opening Sessionでは、デジタルガレージ代表・林郁と伊藤穰一がOnlabの宇佐美、佐々木と共に登壇し、Onlabの草創期から現在を振り返りました。
デジタルガレージ代表の林は、世の中に「スタートアップ」という言葉はもちろんその働き方が浸透していなかった15年前、リスクを恐れず挑戦できる環境を構築するために、2010年4月にデジタルガレージ、ネットプライスドットコム、カカクコムの3社で、世界に羽ばたく起業志向のエンジニアを育成するプログラムを創ったと語ります。共同創業者である伊藤穰一(Joi)は、「Authority(権威)」とは単なる権力ではなく、社会に根付く「常識」そのものも含まれる。この「Authority」を疑い、自らの頭で考えることこそが、スタートアップが成功するための鍵だと話しました。特に、周囲から「ダメだ」と言われた時こそ、それに逆らってでも突き進む「やんちゃな」精神が必要であり、いかなる困難も乗り越える信念の重要性を起業家たちに語りました。
また、自らも30年以上の経営をする立場として、 「ハードシングスがない経営はない。Hard ThingsではなくThingsと捉えて、失敗を恐れず、社会の“動的平衡”を楽しみながら、自分を充実させてほしい」と、林もメッセージを送りました。
Onlab Alumni(卒業生)による2つのセッションを開催しました。最初のセッションは「世界へ挑む『攻め』と『Re-Challenge』への回帰」と題した、海外で活躍する卒業生を迎えたパネルディスカッション。登壇いただいたのは以下の方々です。
続いてのセッションは「その“次”に挑む、起業家の今の勝負どころ」。過去の学びを活かし、現在どのような戦いをしているのかを語ってくれました。登壇者は以下の方々です。
セッションでは、オフレコだからこそのリアルな情報や、同じ経験を持つ登壇者ならではの説得力ある話が繰り広げられ、観客のOnlab卒業生達は深く頷きながら聞き入っていました。
また幕間には、デジタルガレージのシリコンバレーチーム三橋、片山が登場。2013年よりサンフランシスコ中心地に位置する「DG717」は、コワーキングスペースやイベントスペースを併設するインキュベーションセンターを紹介。現在もグローバルで挑戦中のOnlab卒業生が入居しており、過去にはメルカリやスマートニュースのアメリカ進出への足がかりとなるなど、スタートアップの拠点として活用されています。
本イベントのハイライトのひとつとなったアワードセッションでは、15周年を記念して、これまで挑戦を重ね、コミュニティに温かなつながりと刺激をもたらしてくれた卒業生(Alumni)に感謝と敬意を込めてアワード授与を行いました。160社を超える採択スタートアップの中から、歴代および現任スタッフによる推薦と投票のもと選ばれました。
Onlabが大切にしてきた「挑戦」「継続」「独自性」「社会インパクト」といった価値観を体現し、次世代の起業家たちにも大きな力を与えてきたファウンダーの方々を称えています。
Onlabが掲げるビジョン「世界へ羽ばたくスタートアップ」を体現する、グローバルな視点で常識や業界のボーダーを越え、国内外に渡り世界水準の挑戦を続けている起業家として、日本、北米、アジアを拠点に活躍する3名が選ばれました。
幾多の困難の中でも「やり抜く力」や「突破力」で挑戦を続けた姿勢と、決して諦めず道を切り拓いたプロセスを称えて賞が贈られました。受賞したのは、Onlabにとって欠かせない存在であり、コミュニティに多くの刺激と勇気を与え続けてきた起業家です。
本イベントでは、素晴らしい活躍を続けてきたAlumni起業家の皆さまを表彰しました。そしてOnlabは、志高く挑戦するすべての起業家たちを、これからも全力で讃えます。困難に直面しても決して諦めず、自らのビジョンを追求するその姿勢こそが、次なるイノベーションを生み出す原動力となると信じています。
「Alumni 1min Talk」では、Onlab15年の歴史を3つの世代に分け、各世代の採択スタートアップや担当メンターに登壇いただき、当時の様子や事情、心に残る一番の思い出を語っていただきました。
また、スタートアップ界隈でも人気の、米国を中心とした最新テクノロジー、ビジネスやカルチャー情報などをゆるやかに深掘りしながら解説する「Off Topic(オフトピック)」ともコラボレーション企画を実施。「Off Topic × Onlab 15周年 ReUnion Party Side Live」と題し、会場内からリアルタイム配信で15周年を盛り上げました。
配信内容はアーカイブされていますので、Off TopicのYouTubeまたはXよりご視聴いただけます。
会場にはフォトブースも設置。懐かしのメンバーと同窓会のように写真撮影する姿がありました。
参加者の皆さんからのタイムラインを彩るたくさんのフォトジェニックな投稿が、イベントの盛況ぶりを物語っていました。
Onlab15周年を記念したノベルティは、スタートアップの皆さんの日々の挑戦への後押しをしたいという想いを込めて作りました。ランウェイを伸ばすモバイルチャージャーや質の高いひらめきを生み出すドリップコーヒーなど、心と体の燃料補給になるアイテムです。
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今回のパーティーで改めて実感したのは、Onlabを卒業した起業家たちの熱量と、彼らが築き上げてきた素晴らしい実績の数々です。何よりも、Onlabの活動を支えてくださったVCや支援者の皆様、そして世代を超えて脈々と受け継がれてきたこのコミュニティの力強さに、心より感謝申し上げます。
15年という月日が流れた今でも、「Onlabは、帰って来られる母校のような場所だ」と表現してくれた起業家がいました。Onlabを大切に感じてくださるひとりひとりの起業家の想いをしっかり受け止めながら、私たちOnlabは、循環する起業家エコシステムをしっかり築いていきたいと考えています。
次世代の起業家たちが、このOnlabでさらなる成長を遂げるための場として、私たちはこれからも全力でサポートし続けます。
(執筆:Onlab編集部)