これまでアクセラレータープログラムを中心に投資を行ってきたOpen Network Lab(Onlab)。2021年は姉妹プログラムのオープイノベーションの取り組みだけでなく、ファンドの組成やBS番組等、幅広い活動でスタートアップを支援してきました。
Onlab Journal 2021年最後の記事は、今年のOnlabの動きを振り返りたいと思います。
1月
DGインキュベーション設立
Onlabが2021年よりファンド投資をすることになり、そのビークルとして「DGインキュベーション 」を設立しました。積極的な投資を体現する2021年の幕開けとなりました。DGインキュベーションでは、Onlabでのインキュベーション事業とファンド運営を通じて世界にチャレンジするスタートアップに投資と経営支援を行います。
ー 卒業生ピックアップニュース ー
現代アートのノーボーダーECを運営するTRiCERA(トライセラ)が1億1,500万円の資金調達を実施 | PR TIMES
現代アートのノーボーダーEC「TRiCERA.NET」を運営する株式会社TRiCERAは、著名なエンジェル投資家である有安伸宏氏及び複数の投資家を引受先とした第三者割当増資、及び融資により総額1億1,500万円の資金調達を実施したことを発表した。
▶ Onlab卒業生の株式会社TRiCERAが1億1,500万円の調達。 TRiCERAのサービスや起業までの経緯についてOnlab Journalでもお話を聞いています。
99%側のアーティストを支援する。芸事の挫折が生んだ、アートのノーボーダーEC|TRiCERA|Meet with Onlab grads vol.21
Onlab19期生「TRiCERA(トライセラ)」はアーティストとコレクターを繋ぐ、アートの越境ECを運営しています。創業者の井口さんがなぜこの事業に取り組もうと思ったのか、起業家になるまでの人生の転機やアクセラレータープログラムでの出来事についてお話をお伺いしました。
3月
Onlab Resi-Tech 第2期実証実験の成果を公開
https://onlab.jp/programs/resitech-2nd-overview/
Onlab Resi-Tech は、新常態に対応したライフスタイル提案や、安心・安全な暮らし、暮らしを豊かにするサービス、先端技術の活用、不動産事業におけるDX・データ活用などをテーマに開催するOnlabの姉妹プログラムです。40カ国から171のスタートアップから応募があり、不動産大手企業8社をパートナーに迎え第2期を開催。7社のスタートアップが実証実験の成果を公開しています。バーチャルオフィスやワーケーション等、新しいコンセプトに挑戦するスタートアップが多かったのが印象に残る第2期でした。
Onlab Resi-Techはただ今第3期が進行中。2022年には成果を公開する予定です。
【 Onlab Journal 関連記事 】
コンソーシアム型アクセラレーターが高めた「エリアのPDCAを回す」データドリブンな活用|Onlab Resi-Tech|DATAFLUCT
Onlab Resi-Tech 第2期に採択された株式会社DATAFLUCTをインタビューしています。プログラム公開後にも、クレジットカード等の決済データから二酸化炭素排出量や淡水消費量への影響を可視化するスウェーデンのDoconomy AB社と提携する等、勢いを増しています。
AI with Concept Awareness. How Leela AI Lead the PoC to Success.|Onlab Resi-Tech|Leela AI
Open Network Lab Resi-Tech (Onlab Resi-Tech) is a global accelerator program designed for real estate-related startups to create new values essential in the coming era.
ー 卒業生ピックアップニュース ー
環境省_Green Startup Pitchの開催および環境スタートアップ大賞の受賞者発表について
環境省は、将来有望な環境スタートアップへの表彰等により、新たなロールモデルを創出するとともに、事業機会の拡大の支援を目的として、「環境スタートアップ大賞」(環境大臣賞含む)を創設しました。この度、御応募いただいた申請書をもとに、外部有識者で構成される選定委員会の審査により受賞者を決定しました。
▶ Onlab卒業生の株式会社ピリカが「環境スタートアップ大賞」(環境大臣賞)」を受賞しました! ピリカについてはOnlab Journalでもお話を聞いています。
国連にも採択されたプラスチックごみ調査。環境スタートアップ10年目の「諦めない」秘訣|ピリカ|Road to Success Onlab grads vol.10
Onlab3期生ピリカは、2011年に創業したごみの自然界流出問題を解決するスタートアップです。世界のどこにも前例が無いからこそ自分たちの頭で考え行動する、そんな姿勢を貫いてきたピリカは、いくつもの困難を乗り越えながら成長してきました。いったいどんな原点や思いがその原動力になっているのかお話を伺いました。
4月
Onlab22期Demo Dayを開催。最優秀賞は不動産オーナーのCO2管理「EaSyGo」
https://jp.techcrunch.com/2021/04/20/onlab-22-demoday/
2021年4月には、Onlab第22期のDemo Dayを開催しました。コロナ禍であることを踏まえ、オンラインでの開催です。最優秀賞であるBest Team AwardとAudience Awardをどちらも獲得したのは、不動産オーナーのCO2可視化を支援するSaaS「EaSyGo 」を運営するGOYOH でした。
EaSyGoというESGど真ん中のプロダクトが最優秀賞を獲得したというのが、今の世相も反映しているように感じます。当時はまだESGと言われても、何をすればいいかわからないという不動産オーナーも多い中、二酸化炭素排出量を可視化するというわかりやすいサービスを提示したことも受賞の理由の一つでした。
OnlabESGプロジェクトがスタート
持続可能なスタートアップエコシステム構築を目指し、あらゆる分野の社会課題に取り組むスタートアップ、投資家、大企業、支援者などのステークホルダーをゲストに迎え、サステナビリティな取り組みについて考える「Onlab ESG Meetup 」第1回を4月に開催しました。
第1回のゲストは上にも登場したピリカとGOYOH。環境分野のスタートアップがどう戦っていくのか等のお話を聞いています。
またピリカとGOYOHには、デジタルガレージ主催のカンファレンス「NEW CONTEXT CONFERENCE 2021 TOKYO 」でも、デジタル改革担当大臣やオードリー・タン氏等、名だたる登壇者と並びピッチをしていただきました。
【 Onlab Journal 関連記事 】
【イベントレポート】Onlab ESG Meetup Vol.1 |企業や個人の意識を変える秘訣は、環境貢献の「見える化」
Onlab ESG Meetupは、持続可能なスタートアップエコシステム構築を目指し、あらゆる分野の社会課題に取り組むスタートアップ、投資家、大企業、支援者などのステークホルダーをゲストに迎え、サステナビリティな取り組みについて考えるMeetupです。今回は2021年4月28日に開催されたイベントの様子をお届けします。
【イベントレポート】Onlab ESG Meetup Vol.2 |ESG投資 北欧最先端の事例に学ぶ、スタートアップインパクト投資
Onlab ESG Meetupとは、持続可能なスタートアップエコシステム構築を目指し、あらゆる分野の社会課題に取り組むスタートアップ、投資家、大企業、支援者などのステークホルダーをゲストに迎え、サステナビリティな取り組みについて考えるMeetupです。
6月
ESG分野のスタートアップに向けた「Open Network Lab・ESG1号 “Earthshotファンド”」を設立
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000217.000023393.html
ESG分野に関連する企業を中心に、今後将来性が見込まれる日本国内外のスタートアップへ投資する「Earthshotファンド」を立ち上げました。ESGへの投資強化に加え、Onlab卒業生への追加出資を強化したいという意図もあり設立したファンドです。
※ 投資は上で紹介したDGインキュベーションが行います。
Earthshotファンドからは、コオロギプロテインのODD FUTURE、LUUP(Fukuoka卒業生)やCuboRex(23期卒業生)、TRiCERA(19期卒業生)等、2021年末時点で10社以上に投資しています。
【 Onlab Journal 関連記事 】
戦略策定から実行支援まで。Onlabが支援するアートECの次なる一手|TRiCERA|Road to Success Onlab grads vol.8
Onlab19期生「TRiCERA(トライセラ)」はアーティストとコレクターを繋ぐ、アートのノーボーダーECを運営しています。プログラム後の資金調達から事業戦略の支援内容についてOnlab生を支援するインキュベーションチームの松田と振り返ります。
ー 卒業生ピックアップニュース ー
クラウド人事労務ソフトを提供するSmartHR、約156億円のシリーズD資金調達を実施 | SmartHR|シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト
株式会社SmartHR(本社:東京都港区、代表取締役:宮田 昇始、以下「当社」)は、Light Street Capitalをリード投資家とし、既存株…詳しく見る
▶ SmartHRが156億円のシリーズDを実行し、Onlab卒業生初のユニコーンとなりました。SmartHRの存在がOnlabに応募する動機になるスタートアップも多く、多くの卒業生達の目標にもなっています。
7月
Onlab FUKUOKA 第2期のプログラム成果を公開
https://onlab.jp/programs/fukuoka-2nd-overview/
福岡地域のスマートシティやスマートライフの事業創出を目的としたオープンイノベーションプログラム「Open Network Lab FUKUOKA (Onlab FUKUOKA)」が、第2期の成果を発表しました。国内企業6社、海外企業1社を採択しています。福岡で事業を推進したい国内外のスタートアップと地元企業のマッチングを図り、PoCに繋げました。
【 Onlab Journal 関連記事 】
南京錠をスマートに。「当たり前」に切り込んでレガシー産業へ変革を起こすKEYes(キーズ)|Meet with Onlab grads vol.26
Onlab FUKUOKA1期生KEYesは、スマート南京錠システムを開発しています。レガシー産業に変革を起こし南京錠の新たな価値を届けるために、Onlab FUKUOKAはどう支援してきたのか、協賛企業とのオープンイノベーションをどのように進めていったのか、お話をお伺いしました。
ー 卒業生ピックアップニュース ー
テレワークやイベントに最適なバーチャル空間を提供するoVice、シリーズAで18億円の資金調達を実施
oVice株式会社のプレスリリース(2021年9月15日 11時00分)テレワークやイベントに最適なバーチャル空間を提供するoVice、シリーズAで18億円の資金調達を実施
▶ 9月にシリーズAで18億円の資金調達をしたoVice。実は5月にも調達していたのですが、数ヶ月で大型調達に至りました。世の中のオンラインワークの加速が追い風になったようです。oViceについては以下でも詳しく取り上げています。
ユーザーが使いたくなる機能しか開発しない。バーチャル空間「oVice」が狙う、日本発世界No.1の戦略|Road to Success Onlab grads vol.15
Onlab 21期生 oViceは、連続起業家のジョン・セーヒョンさんが立ち上げたバーチャルオフィスサービスです。2020年にサービスを開始し、日本から世界に挑戦するジョンさん。この事業を選んだきっかけやOnlabをどう活用したか、今後の展望についてオンラインで伺いました。
10月
BSテレ東で「Earthshot 世界を変える起業家たち」がスタート
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000231.000023393.html
デジタルガレージは、地球視点でESGに取り組む「Earthshot」プロジェクトを始動。本プロジェクトの一環として、BSテレ東の番組「Earthshot 世界を変える起業家たち」が始まりました。番組アーカイブはこちらのサイト で閲覧可能です。
スタートアップがOnlabを卒業してからの事業の成長についてのお話を伺ったり、事業を行う創業者は今どんなことを考えているのか等、Onlabとしても卒業生の想いに触れられる貴重な機会となっています。登場していただいたスタートアップには問い合わせがあったり売上につながっているケースもあり、PRにも貢献するプロジェクトとなりました。「こんなスタートアップがあったんだ」「今活躍しているスタートアップはこんなことを考えていたんだ」。そんなことを10年後に思っていただけるようなコンテンツにしていきたいと考えています。
Onlab23期Demo Dayを開催。外国人特定技能人材プラットフォーム「tokuty」が最優秀賞
https://thebridge.jp/2021/10/open-network-lab-23rd-demo-day
10月にはOnlab第23期のDemo Dayを開催。最優秀賞は外国人特定技能人材と働く場所をマッチングするサービス「tokuty 」を運営するトクティー(当時の社名は「Connectee」)でした。実はConnecteeはOnlabへ3回目の応募で採択され、最優秀賞の獲得となったんです。詳細は以下の記事をご覧ください。
【 Onlab Journal 関連記事 】
採用を素早く、安く、簡単に。特定技能人材と雇用主を繋ぐマッチングプラットフォーム「tokuty」|Meet with Onlab grads vol.29
Onlab 23期生 tokutyは、特定技能人材を採用したいを企業を繋ぐマッチングプラットフォームです。サービスを介して日本をもっと魅力ある国にしたいと語る杉原さんに、コネクティーを起業した当時のエピソードやOnlabへ参加したきっかけなどをオンラインで伺いました。
全ては不整地産業の課題解決のために。部品メーカーからソリューション企業への転換|Meet with Onlab grads vol.30
Onlab 23期生 CuboRexは、移動が困難な不整地で走行に適した製品を開発提供しています。Onlabを通じてその技術の価値をどのように磨き込んでいったのか、起業のきっかけやOnlab期間での気付きや学びについてオンラインで伺いました。
12月
Open Network Lab HOKKAIDO 第4期Demo Day開催〜SDGs、医療、食の課題に取り組む3社が登壇
https://media.dglab.com/2021/12/08-onlabhokkaido-01/
北海道の資産を活用してグローバルな展開をめざすOpen Network Lab HOKKAIDO第4期生のDemo Dayが開催されました。最優秀賞であるBest Team Awardを受賞したのはkomham です。生ゴミを処理して堆肥にする際の問題を、「コムハム菌」を使って解決します。なんと生ゴミの98%を24時間でちゃんと堆肥にしてしまうんです。現在は渋谷区とも共同実験を実施。街のゴミを減らすためにも活動しています。北海道だけではなく東京でも支援を加速していきたい会社です。
【 Onlab Journal 関連記事 】
ユーザーの課題はどこにある?道産子SaaSはこう乗り越えた ーOnlabTalk from HOKKAIDO #1
Onlab HOKKAIDOは、2018年に始動した北海道初の産官学連携シードアクセラレータープログラムです。これまで通算3期、14社の支援をしてきました。プログラム期間中、Onlabの支援を受けながら、どのように壁を乗り越えアイデアを磨いたのか、第3期卒業生のHELTEQとFlyersの両代表に語っていただきました。
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2021年も、シードアクセラレータープログラムや大企業とのオープンイノベーションの運営活動をベースにファンド、イベント、番組制作まで幅広く取り組んできたOnlab。2022年も世界に羽ばたくスタートアップを全力でバックアップするために、デジタルガレージの様々なアセットを活用しながらスタートアップの支援を続けていく予定です。興味のあるスタートアップの皆さんは、是非一度サイトを覗いてみて下さい。
2021年も大変お世話になりました。2022年もよろしくお願いします!
Open Network Lab
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