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【起業家トーク】女性の活躍やヘルスケア課題に取り組む3社の行政・自治体導入戦略|Road to Success Onlab Grads vol.19

【起業家トーク】女性の活躍やヘルスケア課題に取り組むスタートアップ3社の営業戦略とは?|Road to Success Onlab Grads vol.19

「世界に通用するスタートアップの育成」を目的に、Seed Accelerator Programを2010年4月にスタートしたOpen Network Lab(以下、Onlab)。活動期間が10年を超える中で、卒業生たちは色々な領域で活躍しています。今回のテーマは「サービスの行政への導入」。toCやtoBのビジネスとは違った現状認識や営業戦略が必要になってくる領域です。そこで、すでに多数の企業や行政にサービスを導入している3社のOnlab卒業生スタートアップに、行政案件特有の事情や、営業戦略、導入事例についてお話していただきました。

Trim株式会社(以下「Trim」)が開発するのはスマートベビーケアルーム「mamaro」。畳1畳ほどのスペースに設置可能な、可動式の完全個室ベビーケアルームです。mamaroは授乳だけでなく、おむつ交換や離乳食、寝かしつけや着替えなど、幅広い赤ちゃんケアに利用できるのが特徴です。個室型で施錠ができるため、設置場所の選択肢も多く性別問わず利用ができることから、DE&IやSDGsの取り組みの一環として設置いただくケースも増加しています。

株式会社Kids Public(以下「Kids Public」)が運営するのは産婦人科医や小児科医、助産師にスマホから相談できるサービス「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」。平日18時〜22時の間、10分間の予約制で相談できる「夜間相談」と、毎日24時間メッセージを送れる一問一答形式のサービス「いつでも相談」の2つの形式で相談に対応しています。

株式会社ファミワン(以下「ファミワン」)が運営するのは、妊活コンシェルジュ「ファミワン」です。妊活に取り組む全ての方を支える、LINEを活用したパーソナルサポートサービスです。LINEの友達登録をすることで専門のチェックシートが届き、その入力内容を分析した利用者の状況に合わせたアドバイスが返ってきます。回答するのは不妊症看護認定看護師や臨床心理士、培養士、カウンセラーなどの専門家。妊活を意識し始めたばかりのタイミングから、病院選びや治療中まで、妊活のあらゆる過程をサポートします。

< プロフィール >
Trim株式会社 代表取締役 長谷川 裕介(画像左上)

1983年、神奈川県横浜市生まれ。大手広告代理店にてCD/プランナー/コピーライターとして10年間従事。カンヌライオンズなど国内外の賞を受賞。医療系ベンチャー企業へ転職後、CIOと新規事業責任者を経験。複数のアプリ開発を行う。母の他界後できなくなってしまった「恩返し」をしたいと、母親を助けるサービスを行うTrimを創立。授乳室・おむつ交換台検索アプリの運営から見えてきた「圧倒的な授乳室不足」の日本を変えるべく、完全個室のベビーケアルーム「mamaro」を開発し、現在に至る。Open Network Lab 12期生。

株式会社Kids Public 代表取締役 小児科医 橋本直也(画像右上)

小児科専門医。2009年日本大学医学部卒。2009~2011年聖路加国際病院にて初期研修、2011~2014年国立成育医療研究センターにて小児科研修、2014~2016年東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修士課程、2015年~現在、都内小児科クリニック勤務並びに小児科・産婦人科オンラインを運営する株式会社Kids Public代表取締役。Open Network Lab 12期生。

株式会社ファミワン 代表取締役 石川 勇介(画像左下)

愛知県犬山市出身。自身の妊活で強く感じた課題を解決するため、2015年に株式会社ファミワンを創業。不妊治療の専門家によるLINE上の妊活サポートサービス「妊活コンシェルジュ ファミワン」の提供と、小田急電鉄などの企業や、神奈川県横須賀市などの自治体に向けた妊活・キャリア支援を開催。夫婦の葛藤と成長を描くフジテレビのテレビドラマ「隣の家族は青く見える」の監修や東京大学との臨床研究なども実施。Open Network Lab 15期生。

無料? 有料? 考え方で変わる自治体への導入の戦略

― 行政や自治体へのサービス展開を考えているスタートアップにとって参考になる事例も多いかと思いますが、最近のサービスアップデートを教えてください。

石川(ファミワン):ファミワンの最近の大きな話題としては、シリーズAの資金調達をしたことと、卵巣年齢チェックキット「F check」を事業譲受して、妊活に関するより幅広い課題解決ができるようになったことです。

長谷川(Trim):Trimは引き続きmamaroを生産していて、累計設置台数は400台を突破。赤ちゃんの身長や体重が測れる機能も開発しました。他にもOnlab当時に開発していた授乳室地図検索アプリ「Baby map」はmamaroが表示されるように変更し、現在は「mamaro GO」というアプリ名で赤ちゃんの成長曲線が表示されたり、成長を家族にシェアしやすいデザインにしたりと、サービスを進化させています。

橋本(Kids Public):産婦人科オンライン・小児科オンライン・は自治体34カ所に導入いただいていて、企業の福利厚生や付帯サービスを合計すると100法人超への導入を達成したところです。またチャットボットで妊娠中・授乳中のお薬の疑問に答えられる「くすりぼ」というアプリも2021年にローンチしました。産学官共同案件として、東京大学・横浜市と共同研究を行い「妊娠中からオンライン医療相談を利用できる環境があると、産後うつ病高リスク者の割合が1/3程度減少する」という結果も発表しています。

石川(ファミワン):大学や行政との取り組みは、今回の主題である行政導入でも重要ですよね。橋本さんは医師なので、行政からすると交渉相手として一定の信頼感がありますよね。長谷川さんも同じことを感じているかもしれませんが、私たちは医師ではないので、「東大と共同研究しています」「看護学会の学術集会長をやります」「この学会で看護師さんがファミワンに関するポスター発表をしました」といった実績を示すのは大事ですね。

長谷川(Trim):同意です。まだ詳しいことは語れないのですが、Trimも今、某大学と調査をしているところです。授乳室に関するエビデンスを貯めることを目的としたものですが、将来的に行政への営業材料としてプラスにはたらく可能性はありますね。

― 皆さん事業を成長させつつ、新しいことにも取り組んでいますね。スタートアップとして信頼をどう築いていくのか、PRや実績で示していくのが効果的ですね。具体的な自治体などへの導入にはどのようなケースがありますか? 典型的な事例と、労力がかかった事例を教えて下さい。

橋本(Kids Public):行政との取り組みにおける典型的な事例としては、産婦人科オンライン・小児科オンラインの無料トライアルが挙げられます。つまり、自治体がいきなり導入してもどの程度使われるかわからないので、その前に実証実験をするんです。トライアル導入で反応がよければ、本導入へと話を進めていきます。

先駆的な取り組み事例としては、横浜市での「ソーシャルインパクトボンド」の活用があります。ソーシャルインパクトボンドとは社会課題の解決を目的としたもので、事業成果(社会的コストの効率化部分)に応じて支払い額が変動するものです。つまり産婦人科オンライン・小児科オンラインを使って、当初計画した効果を達成すれば100%を行政からお支払いいただき、達成率が50%なら支払い率は80%……といった具合で支払い金額が変わるといったものです。スタートアップとしては成果を達成するインセンティブが発生しますし、自治体は成果が出ない場合には節約できる。社会的コストの算定をしたり、目標達成に心血を注いだり、これは大変でしたが、とてもやりがいのある事例でした。

(image: Kids Public)

石川(ファミワン):ファミワンもトライアル導入は行政にも企業にもするのですが、基本的には無料ではやりません。ファミワンが取り組む妊活のという課題は、対象者がそもそもまだ悩んでいない・課題に直面していないというケースも多いのです。例えばセミナーをやるにしても、自治体が本気になって集客してくれないと、「あまり集客できなかったですね」「悩んでいる人が少ないんですかね」といって終わってしまう。本当は困っている人がいるのに。なのでセミナー1回に少しだけの予算でもつけていただいて、ファミワンと自治体が一緒になって、チラシを印刷するなり、イベント企画をするなり、お互いが本気で取り組めるようにしたいんです。そのため原則無料ではやらないようにしています。

橋本(Kids Public):イベントでも予算がつけられるというのは、ファミワンのコンテンツ力ですよね。すごい。

石川(ファミワン):また(都道府)県レベルとの取り組みは労力がかかりがちです。市区町村だとすぐに住民へのアクションに取り組めるのですが、県との取組みだと一旦市町村に話を降ろさないといけない。この連携が上手くいかないと、蓋を開けてみたら全然使われていない、ということが起こりうります。なので県と市区町村が絡む場合には両者の連携に気を使いますね。

― トライアル導入やイベントをうまく活用して連携し、導入に繋げているんですね。長谷川さんはいかがですか?

長谷川(Trim):mamaroは現在、行政関係で100台ほど導入していただいています。全部で400台のうちの100台なので、これだけでかなり労力をかけています(笑)。その他の取り組みとしては、Trimは創業時から授乳室・おむつ交換台検索地図アプリを提供していたので、そのデータ連携。これは自治体の授乳室情報などをアプリに表示するというものです。最近は「mamaroの寄贈」という事例も出てきました。つまりmamaroを設置したいのだけど予算がないという自治体に対して「お金はあるけど場所がない」という方々が自治体にmamaroを寄付するんです。直近では山形紅花ライオンズクラブが山形市役所に寄付をするという事例があって、市長と記者発表もさせていただきました。

mamaroは商業施設や病院など、あらゆる場所に設置されている(image: Trim)

提案タイミングが肝。顧客の導入目的からから考える営業マーケティング戦略

― 3社とも、行政だけでなく企業にもサービスを導入しています。行政への導入と企業への導入、両者の違いを教えてください。

橋本(Kids Public):まずは予算サイクルが違います。自治体が新規事業を始める際には、補正予算が組まれるケースもありますが、予算獲得のチャンスは年に1回しかないと思ったほうがいい。なので基本的には前年度の秋口までにはアプローチしておかないといけません。一方で企業はその限りではなく、柔軟に予算が組まれるケースも少なくありません。サービス導入の目的も両者では異なります。例えば企業が子育てに関する商品に産婦人科オンライン・小児科オンラインを付帯する場合は「売上向上に貢献してほしい」「カスタマーのロイヤルティを上げたい」という目的で導入します。一方で自治体は、シンプルに「妊娠・出産・子育ての施策の充実」が目的となるケースが多い。この峻別ができていないと、営業やマーケティングに苦労するかもしれません。

石川(ファミワン):おっしゃる通りですね。企業なら近年は女性活躍推進といった思いもあるでしょうし、自治体なら「新しく住民になってほしい」「この街に住み続けてほしい」というインセンティブが働いています。言い換えれば、企業は生産性を上げたいと思っているのに対して、自治体は自分の町を誇りに思ってほしい、安心してほしいと考えている傾向がある。ここの区別は大事ですね。

長谷川(Trim):自治体には1年単位の予算もありますし、5年・10年単位の総合計画もあります。なので自分たちの提案内容が、単年度だけでなく総合計画に沿っていることを示すのも重要です。「子育て支援や少子化対策の、この文脈に貢献します」ということを示せると、興味をもって下さることが多いですね。

― 予算という意味では、mamaroには買い切りプランもサブスクリプションプランもありますよね。どのように使い分けているのでしょうか。

長谷川(Trim):行政側のニーズによって選択できるようにしています。年度跨ぎを避ける自治体も多いので、年度内予算として一括計上したいということでしたら売り切りですし、そうでなければ1年ごとのレンタル契約というケースが多いです。ただ逆に、3年契約前提での割引きが単年契約では適用できないといった面も出てくるので、なるべく柔軟に対応するようにはしています。この柔軟さはTrimの強みですね。

― 価格戦略も大事ですね。営業戦略についても聞かせてください。営業する自治体はどのように決めているのでしょうか?

長谷川(Trim):Trimでは、首長や議員の発言や考え方、公約をウォッチするようにしています。特に若い首長は、子育て文脈を前面に押し出して選挙に勝つことが少なくありません。そのため子育て支援に関心のある首長や議員がいる自治体とは交渉しやすい傾向にありますね。

橋本(Kids Public):うちはセミナーを開催して、興味をもってくださった自治体に連絡する、自治体にチラシを郵送して反応があったところと交渉する、といったところからお付き合いを始める自治体が多いです。あまり電話営業はしていません。一時期やってみたのですが、効率が良くありませんでした。辛抱強く情報発信をして、興味を持ってくださったタイミングで話を進める。結局この方法が最も効率的です。先述した産学官連携にも近いですが、昨年東京都の実証実験に採択されたので、そういった旗印があると声をかけやすいですね。

石川(ファミワン):ファミワンは逆に、ひたすら営業しています。チラシを送付することもあれば、イベント案内を問い合わせフォームに連絡することもありますし、自治体の子育て支援課とかに電話することもあります。議員さん経由で連絡することも多いですね。長谷川さんの言うとおり、彼らには公約があって、その達成に役立つと感じていただければ協力してくれます。「不妊治療の支援をもっと手厚くするべきではないか」「LINEで妊活相談できるようにするのはどうか」と議会で発言するだけでも、彼らのアピールになりますしね。議員さんにアプローチすると、意外と現場を繋いでくれますよ。営業当時は自治体に響かなかったとしても、接点を持っていると3年で担当が変わって、次の人がやる気に充ちていて話が進む、ということもありますね。

2020年からファミワンを導入している神奈川県横須賀市の上地市長とファミワン石川の対談風景(image: ファミワン)

長谷川(Trim):弊社でも電話営業はしています。効果的なツールかといわれるとそういうわけでもないですが、ひとまず話は聞いてくれるし、その案件はちゃんとドキュメントに残しておいてくれるので、そのときは具体的な話にならなくても、あとから庁舎の建て替えや予算がついたタイミングで「昔電話をくれましたよね」と、逆に連絡を頂くようなこともありました。

また先述のように我々は授乳室のアプリを運営しているので、「不満が溜まっている授乳室情報」が把握できているんです。なので「XX市のXXにある授乳室にしょっちゅうクレームが来ていますけど、mamaroなら解決できますよ」といった、ちょっとイヤらしい営業もできるのですが(笑)、こういったテクノロジーを使ったアクションを自治体にしてくる会社は少ないみたいで、興味を示してくれますね。

2017年に設置を開始した個室型のベビーケアルーム(image: Trim)

― ターゲットユーザーのリアルな声を自治体に伝えるというのは面白いですね。こういった既存企業はやっていない、新しいアプローチは有効なのでしょうか。

石川(ファミワン):ファミワンは妊活の相談をLINEで受けて、必要なら地域の医療機関等に誘導する仕組みとなっています。既存の支援制度は医療機関での対面診察を前提にしていることが多いので、そういう意味ではファミワンという仕組み自体が新しいアプローチと言えるでしょう。一定の効果はあるように感じています。ただ、行政案件の中には既存勢力が力を持ちすぎているケースもあると感じています。例えば不妊相談案件で、受注要件に「XX市の団体であること」と定められているケースがある。なのでそのエリアの団体が受注しているのですが、不妊相談に必ずしも詳しくない団体が、他に業者もいないからと受注していることもあるんです。ファミワンなら必要に応じてそういった団体とも連携できるので、もっと僕らのサービスをうまく使ってほしいと感じることは多々あります。

橋本(Kids Public):確かにそうですね。サービスの性質上「産婦人科オンライン・小児科オンラインなんて役に立たないよ」と言われることは滅多にないのですが、「妊娠、出産、子育て支援は既に十分行っている」という理由で断られることはよくあります。先述したように、3カ月でも実証実験をやってくださると想定よりユーザーが集まったり、住民からの反響の声を担当の方へお届けできるので、住民ニーズにマッチしていることがわかるのですが「電話相談や、対面相談をもうやっているので大丈夫です」といった反応をされることも少なくありません。でも今の子育て世代はSNSでこそ本当の自分を話すことができるという人も多いです。電話や対面は恥ずかしいという人も少なくありません。既存の方法を毀損する気持ちは全くありません。今の子育て世代を守るために張り巡らせるべきセーフティーネットの網目を細くするために、インターネット、SNSを活用することにもっと世間の目が向くといいなと思います。そのための発信を続けていきたいですね。

導入までのリードタイムをどう乗り越えるか、企業案件と自治体案件の違い

長谷川(Trim):お2人に質問があるのですが、両社はビジネスとして自治体を主戦場に置いていますか? というのも、私自身今後どうしようかと迷っているんです。mamaroは現在、全400台のうち、1/4の約100台が行政関連での導入です。なのでそこそこ実績はあるものの、予算が取れない自治体も少なくないですし、長いと導入までに2年以上も交渉しなければならないということも珍しくなく、ビジネスとしては積極的に攻めにくいのが実情です。とはいえ、もちろん自治体には市役所や公園、美術館・博物館などもあるわけで、そこにmamaroを置ければ絶対にユーザーのためになる。どうしたものかと。

橋本(Kids Public):弊社は行政案件を主戦場に置いています。というのも、そもそもKids Publicという会社が、虐待を減らしたい、産後うつを減らしたいという思いで立ち上げた会社だからです。出生連絡票はほぼみんな出しに来るし、母子手帳はほぼ全員取りに来る。新生児訪問も基本的にはほぼ全ての家庭にできている。ある地域で生まれた全ての人にリーチできるという意味では、自治体との連携が不可欠です。例えば産婦人科オンライン・小児科オンラインでは、育児不安の強い家庭があれば、本人同意のもと自治体に連絡して家庭訪問に繋げてもらったりしているのですが、そういう密な連携ができるのは、自治体と契約いただいているからです。なのでKids Publicとしては今後も、自治体との連携は強化したいと考えています。

石川(ファミワン):うちはどちらかと言われれば企業重視です。なぜかというと、例えば新入社員が研修を受けて妊活や卵子凍結について知識を得るというのが、妊活・不妊という課題解決への近道だと思っているからです。社員により活躍してほしい、女性にちゃんとキャリアを歩んでほしいと思うのであれば、それと同時にヘルスリテラシーの向上にも取り組むことが、女性の一生のサポートに繋がります。それに対して自治体の場合は、もうちょっと幅も広く、長い目線での取り組みになりますね。行政案件も企業案件も並行して進めていますが、目の前の課題をまずは解決したいという思いから、ファミワンでは問い合わせも非常に多い企業案件に重点を置いています。

ファミワンは福利厚生の一環として企業にも導入されている(image: ファミワン)

長谷川(Trim):なるほど。両社それぞれの考え方がありますね。

― どの層のユーザーへ向けてサービスを提供するかによって、比重をどこに置くかが決まって来る訳ですね。最後に、行政へのサービス導入を検討しているスタートアップに、アドバイスをお願いします。

橋本(Kids Public):行政との交渉は対面が大事です。特に初回のミーティングは会いに行った方がいいと思います。地方だと大変かもしれませんが、少なくとも会いにいける範囲だったら絶対に行ったほうがいいです。

長谷川(Trim):
自治体ビジネスは、一度導入されたら安定するかもしれませんが、導入までには時間がかかります。なのでそこまでのリードタイムをどう担保するか、最初に考えておかないと資金繰り面で厳しくなるかもしれません。収入が入るまでに2〜3年かかることもありますからね。これは私の失敗談なので、読者の皆さんには同じ轍を踏んでほしくないですね。

石川(ファミワン):冒頭にも申し上げましたが、「大学と実証実験をしています」「経産省のプログラムに採択されています」「こういう導入実績があります」といったことは、行政と交渉する上では有利に働きます。直接の営業アプローチももちろん大事ですが、一見遠回りにみえるこういう取り組みも、早い段階から意識して進めていくとよいと思います。

― 営業戦略、価格戦略、テクノロジーの関連性、3社で似たような話になるかと思いきや、三者三様のお話が聞けて大変勉強になりました。橋本さん、長谷川さん、石川さん、本日はありがとうございました。

(執筆:pilot boat 納富 隼平 編集:Onlab事務局)

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