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日本の課題先進地、北海道。 試練の大地がスタートアップを待っている ーOnlab HOKKAIDO第4期、3/24募集開始

日本の課題先進地、北海道。 試練の大地がスタートアップを待っている ーOnlab HOKKAIDO第4期、3/24募集開始

Onlab HOKKAIDOは北海道で初めてのシードアクセラレータープログラムです。北海道札幌市で2018年に誕生しました。そのミッションは、「日本の課題先進地」とも呼ばれる北海道にイノベーションの力をもたらすこと。深刻な担い手不足にある農漁業、新型コロナウイルスの直撃を受けた観光産業。未来を見渡せば、日本国内に先んじて少子高齢化が進み、高齢世帯は2040年に全世帯の半数に達するとの推計もあります。豊かな北の大地は、試練の大地でもあるのです。

Onlab HOKKAIDOは、国内外で活躍する起業家を多数輩出してきたOnlabのノウハウを北海道に展開してきました。卒業生は過去3期で計14社。2021年3月24日に募集が始まった第4期では、一次産業や宇宙開発、バイオヘルスケアなど北海道の未来を切り開く先端分野のスタートアップ支援に力を入れます。プログラムを通して、スタートアップがどのように成長できるのか。北海道出身のディレクター赤坂美奈が語ります。

< プロフィール >
Onlab HOKKAIDOプログラムディレクター 赤坂 美奈

1987年、北海道旭川市生まれ。札幌の大学を卒業後、メーカーでのSEを経て、2012年に北海道新聞社入社。海外作家の美術展や道内各地の花火大会など、数々の大型イベントを手掛けた。2018年にデジタルガレージへ出向し、Onlabでスタートアップ支援業務に従事。翌2019年からはデジタルガレージと北海道新聞社の合弁会社D2 Garage(札幌市)が運営するOnlab HOKKAIDOに参画した。好きな北海道の食べ物はいくらの握り、好きな言葉は「向き不向きより前向き」。

設立3年目 羽ばたくOnlabHOKKAIDO生

― 北海道初のシードアクセラレータープログラムを設立し、今年で4期目を迎えます。

北海道では前例のない取り組みでしたが、一歩一歩進んできました。成長途上ですが、おかげさまで卒業したスタートアップが日本全国へ羽ばたき始めました。

北海道大学の研究室とともにAI婚活支援アプリを開発した1期生のAILL(東京)は昨年、みずほ銀行やNTTドコモなど大企業の福利厚生サービスに相次ぎ採用され、九州最大の経済団体「九州経済連合会」との協業も発表しました。牧場向けの共有型電子カルテサービスを提供する2期生のVETELL(北海道帯広市)は2021年2月にサービスをローンチしたばかり。アイデア段階からサポートさせていただきましたが、チームの努力が形になり、着実に導入が増え、成長する姿を見ることは本当に嬉しいです。このほか首都圏のアクセラレーターに採用されて成長中の卒業生や、ピッチイベントで上位成績を収める会社も出てきます。VCやエンジェル投資家からの引き合いも着実に増えています。

― 北海道というフィールドで、スタートアップはどう成長できるのでしょう?

私たちは、2010年に誕生した日本初の本格シードアクセラレータープログラムであるOnlabの11年分のノウハウを北海道に広げています。シード期に欠かせない仮説検証やユーザーインタビューなど、これまでの実績により体系化されたスキームが学べるほか、日本を代表する起業家たちのメンタリングが本家Onlab同様に受けられます。プロジェクト管理ツールやクラウドサーバーなど事業開発に必要な各種サービスが利用できる特典も本家Onlabと変わりません。

Onlab HOKKAIDO3期生 / Flyers

Onlab HOKKAIDO最大のPRポイントは、北海道ならではのダイナミックな実証実験フィールドです。北海道のアクセラレーターとして唯一の産官学連携の枠組みがございますので、道内の市町村や各大学とつながる事が容易です。また、地元企業への営業時にOnlab生というだけでドアノックのハードルがぐんと下がるのも、スタートアップブランドとしてのOnlab HOKKAIDOの強みだと思います。情報発信の面ではプログラム運営をサポートしている北海道新聞社がバックアップします。

― 4期目は、北海道の未来を切り開く3つの先端分野に力を入れます。

今期私たちが力を入れるのは、一次産業のDXや宇宙開発、バイオヘルスケアなど、北海道が日本をリードする3つの先端分野です。各分野をリードする起業家のメンタリングが受けられるほか、実証実験フィールドをご用意できます。このほか観光や環境分野など北海道に根ざした幅広い領域でもご応募いただけます。ご参加いただくスタートアップの皆さんにカスタマイズして、最適な支援を提供いたします。

苦しい仮説検証「ストンと落ちる瞬間ある」

― プログラムはわずか3ヶ月間。実り多きものにするのは何が大切でしょう。

ひと言で表すなら「泥臭く」やることです。プログラムの開始当初、スタートアップの皆さんによく聞かれるのは「これが正解なんですか?」「この方法をやればうまくゆきますか?」との質問です。私がいつもお伝えするのは、失敗なく成長したスタートアップは一つもないということ。Onlabでの学びを行動に移し、気付きを得て、改善してーというサイクルをリーンに回せるスタートアップは着実に成長します。特にシード期においては事業の方針転換、ピボットを恐れないことが非常に大切だとお伝えしています。

Onlab HOKKAIDO3期生 / nanoFreaks

シード期のスタートアップにとって大きな障壁となるのが課題の発掘や仮説検証です。顧客の痛みがどこにあるのか、それは本当にあるのか。つまずきを感じ、思うように進めなくなるケースも多いです。苦しい3ヶ月になるかもしれませんが、私たちスタッフもハンズオンで伴走支援させていただきます。仮説検証の壁を乗り越えたスタートアップからは「ストンと落ちる(理解できる)瞬間があった」との声も聞きます。手応えがつかめれば、その先へ一気に加速できると思います。

仲間が集い、成長をドライブする新拠点

― 昨年夏、Onlab HOKKAIDOの新拠点が完成したそうですね。

2020年夏、SAPPORO Incubation Hub DRIVEという北海道最大規模のインキュベーション施設を札幌市内に開設しました。観光名所の札幌市時計台の斜向いのビル内にあり、Onlab生はプログラム開始から1年間コワーキングスペースを自由にお使いいただけます。札幌の中心部にあり、北海道内のスタートアップや起業志望の学生、エンジニア、SaaS領域の企業関係者などが集まってきます。DRIVEでは、そうした人々との交流や繋がりを得られます。このほかOnlabの各姉妹プログラムの現役生・卒業生とのオンラインコミュニティもあり、同じステージのスタートアップと意見交換できることも喜ばれています。

またプログラム終了後には卒業生を継続支援しており、その点も非常に好評です。事業計画の壁打ちや営業先の開拓、チームビルディング、資金調達などのほか、希望に応じて定例ミーティングやメンタリングも行っています。

Onlab HOKKAIDOスタッフ@DRIVE

― 地方における起業熱が高まっています。北海道はいかがでしょう。

私がOnlab HOKKAIDO担当になった2019年当時、多くの方々に「スタートアップって何なに?」「アクセラレーターなんて聞いたことない」とのお声をいただきました。北海道では、首都圏のようなスタートアップカルチャーが根付いていなかったのです。しかし、Onlab HOKKAIDOの卒業生が実績を積み重ねたり、私たち自身がプログラムの情報発信を続けたことで状況は変わりました。実証実験に必要なアセットを提供してくれるスポンサー企業が増えるなど、北海道におけるスタートアップの育成環境は劇的に向上しています。

2019年には、札幌市におけるスタートアップ・エコシステムの構築を目指す「STARTUP CITY SAPPORO(SCS)」が始まり、私どもD2 Garageもプロジェクトに参画しております。SCSは今年、札幌近隣自治体とスタートアップのオープンイノベーションプロジェクト「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」も本格始動させました。行政や民間などの横の連携がこの1、2年で加速しています。

オンライン化で地方起業の不利消滅

― 新型コロナウイルスの影響はありましたか?

オフラインでのプログラム開催が難しくなったため、前期よりフルオンラインで行っています。オンライン上でのビジネスが当たり前になったことは、北海道のスタートアップにとってポジティブな側面が大きいと感じますね。コロナ以前は投資家に会うにも、ピッチをするにも東京へ出向くしかありませんでしたが、今ではパソコン一つで可能です。Onlab HOKKAIDOのDemoDayもオンライン配信とし、全国のVCに見ていただけるようになりました。

― 北海道にいてもVCや投資家と繋がれるチャンスが増えたのですね。

はい。投資サイドの動きに限らず、首都圏から北海道への移住、ワーケーションを選ぶ起業家も増えているように感じます。これに伴い、Onlab HOKKAIDOへの相談件数も急激に増えています。新たな人の動きが生まれ、北海道のスタートアップのレベルはどんどん上がっている印象です。私たちOnlab HOKKAIDOは、北海道の課題を解決するスタートアップであれば海外からの応募も大歓迎です!

2020/10 OfficeHour

― 3/24に4期目の募集が始まりました。選考プロセスや審査のポイントを教えて下さい。

採択するスタートアップは書類審査と複数回のオンライン面談で決まります。審査のポイントとしては、応募資料の見栄えではなく、マーケットやビジネスモデル、フューチャープランなどへの考え方を重視しています。面接時に自分たちの考えをしっかり語れるかも大切ですし、ビジネスプランをやり抜けるチームか、大きくグロースしたいチームなのかも重要な基準と考えています。

課題山積の北海道、挑戦の場は無限

― 最後に、スタートアップの皆さんへのメッセージをお願いします。

スタートアップに最適な支援とは何かー。私たち自身も仮説検証を繰り返しながら、プログラムを運営しています。そう言った意味で、目線はスタートアップの皆さんと同じです。だから、Onlab HOKKAIDOへの参加をきっかけに順調にトラクションが増えていったり、資金調達できたり、どんどん成長する姿が見れることは本当に刺激になります。

北海道には課題がいっぱいです。そして、チャレンジできるフィールドは無限にあります。北海道の活性化はもちろん、世界を変えるスタートアップを生みだすことが私たちの目標です。小さくとどまらず、世界に向けて大きく展開したい方、お待ちしています!