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5名から20名に急成長、ハードウェアスタートアップ「CuboRex」が乗り越えたリアルな組織経営の裏側|Road to Success Onlab Grads Vol.22

5名から20名に急成長、ハードウェアスタートアップ「CuboRex」が乗り越えたリアルな組織経営の裏側|Road to Success Onlab Grads Vol.22

田畑や建設現場、発電所施設など、凹凸が激しく舗装されていない土地で実施する「不整地産業」。株式会社CuboRex(キューボレックス)は「不整地のパイオニア」として、LEGOブロックのようにパーツを組み合わせることでどんな不整地でも使えるようになる、走行に適したロボティクス製品を開発しています。今回はそんな組織拡大におけるマネジメントの苦悩を経験し、代表交代という選択をしたCuboRexの共同創業者の寺嶋さんと代表取締役CEOの嘉数さんに、新体制になったCuboRexをどのように成長させていきたいかを伺いました。

< プロフィール >
株式会社CuboRex 共同創業者 寺嶋 瑞仁

1993年生まれ.和歌山県有田郡出身。和歌山高専知能機械工学科、長岡技術科学大学機械創造工学課程卒業。2016年株式会社CuboRex設立。学生時代からロボコンに精力的に打ち込み、全国準優勝など。レスキューロボットの研究をベースに、2017年James Dyson Award国内第3位。国際トップ20入賞。

株式会社CuboRex 代表取締役CEO 嘉数 正人

学生時代に「折りたたみ電動バイク ORIEV」や「運搬一輪車電動化キット E-cat kit」を開発。それらの経験を元に獣害対策システム開発の会社を創業。同事業が競合多数の中、事業成長させることができず同社を解散。当時1人だったCuboRexに合流し事業開発・ファイナンスを牽引。

社長は2人?組織拡大に伴い、社長業を社内・社外に分担した背景

― 2023年3月1日、CuboRexが新体制を発表しました。プレスリリースや記事をご覧になったお客様や関係者からはどのような反応がありましたか?

寺嶋:沢山のメッセージを頂きました。私はMessengerで「お疲れ様でした」と労いの言葉を頂くことが多かったです。

嘉数:今のところ挙がっているコメントは「お二人とも成長したんだね」「熱いストーリーがあったんだね」など、好意的なものが多くホッとしています。

― このリリースの中に記載されているインタビュー記事にもこれまでのCuboRexの歩みが丁寧に書かれていますが、改めて今の心境は?

寺嶋:とりあえず、この発表を迎えられたという感じです。

嘉数:大きな爆弾を踏むことなくやってこられて安心しています。

― 今日はそんなお二人が代表交代の決断に至るまでの経緯や出来事についてお話を伺います。CuboRexは寺嶋さんが高専から大学の間にクローラーロボットを開発したことを機に起業した会社ですが、創業からの組織の変遷について教えてください。

嘉数:CuboRexは2016年に寺嶋が立ち上げて、2019年頃からは私と寺嶋の2名体制でした。2020年4月にメンバー1名が加わり、3年目の2021年4月には6名体制に、さらに1年後の2022年4月には14名体制と徐々にメンバーも増えていきました。2023年3月現在では23名が在籍しています。

CuboRex社内ミーティングの様子

― メンバーが増え始めた2021年頃から、お二人の間では役割分担があったとのことですが、どのように棲み分けたのでしょうか?

寺嶋:会社の外向けの対応は私、社内や内部の動きは嘉数という役割でした。

嘉数:そうですね。ある日を境に「あなたは今日からこの役割で」といった感じではなく、メンバーが7、8名を超えたあたりから自然とその棲み分けになっていきました。

― 徐々にメンバーが増えていく中で、組織の中では情報齟齬やメンバーの戸惑いのようなものはありましたか?

寺嶋:ありましたね。メンバーが少ないうちは、私が考えていることを嘉数が形にしてくれたり膨らませてくれたりして、足りないところを補ってくれていました。私の意図を汲んで動いてくれるメンバーは組織全体で数名ですが、私が何かを伝えても仕事が上手く戻ってくるんですよね。メンバーが増えてきたフェーズになり、新しいメンバーに「これをお願いします」ときちんと伝えなければならなくなったタイミングで、今まで通りに行かないことが多くなり、粗や限界といったさまざまな現実が見えてきました。

― 嘉数さんは寺嶋さんの一番近くにいて、寺嶋さんの性格も理解していたと思うのですが、この状況をどのように捉えていたのでしょうか?

嘉数:うーん・・・私も寺嶋の独特なコミュニケーションや思考回路に慣れるのには時間がかかったので、入社して間もないメンバーが上手く会話するのは難しいよな、と。ただ、寺嶋が言っていることも論理的には間違っているわけではない。特に10名未満の時期では、全員がのちに初期メンバーとして会社を率いていくわけなので、何とか相互理解を図ることで将来に繋げられないかと考えていました。

寺嶋:創業当初(2016〜2019年)を振り返ると、メンバーは不満を言わないままいつの間にか辞めてしまうこともあって、私はその原因も対処法も分からなかった。同じ会社だとしても、人数がある一定数を超えてくると話の内容をどのように受け取るのかは人によってさまざまなので難しいです。私と新しいメンバーの間には、嘉数や初期からいるメンバーが常に入ってくれました。

嘉数:古参メンバーは問題の原因を分かっているので新しいメンバーに通訳したり、いがみ合いになりそうになったら止めたりしていました。寺嶋は「なんで伝わらないの?」、新しいメンバーは「聞いたことのない言葉を言われているようでよく分からない」と、当時はお互いに頭を抱えていました。論理的な間違いではなく、コミュニケーションの噛み合わなさが原因なので、何とも根本的に解決しづらく、つらさの連続だったなあ、と。

― スタートアップの組織が大きくなる時に生じる痛みですね。そのような状況を打破するのに実際に行ったことや、学びや教訓はありますか?

寺嶋:私の場合、5W1Hに基づいた報告相談フォーマットを作ることもありました。あとは指示なのか、提案なのか、相談なのかを冒頭に書いて「これは相談です」とか分かりやすくしました。「私は提案をしているんだけど、メンバーはなぜ指示と捉えるんだろう」と齟齬で悶え苦しんだことがありましたから。

また、当時、私は会社で起こる出来事で「何なんだ?」と思うたびに長文の「つらいことリスト」を書いていましたね。自分の想いを言葉に吐き出して、精神状態を保っていたのかもしれません。

共同創業者の寺嶋さん

嘉数:私はこのリストを全て受け取っていました。このつらさを解決しなければならない反面、事業も推進していかなければならないという板挟み状態でした。

― 寺嶋さんのつらいことリストも、嘉数さんの板挟みも、リアルな情景が浮かんできます。組織の課題を抱えながらも事業を前に進めなければならないのは大変ですよね。その中でもお二人はどのように会社を成長させていこうと考えましたか?

嘉数:最初に2人で握り合った最優先事項がありました。私たち個人よりも「会社の成長」を優先しよう、と。これは第2創業当初に何ヶ月も話し合って決めたことなので、私は常に「いかに会社を前進させるか」という合理的な思考を心がけていました。

― 共同創業者の中で優先事項を決めておくのは、混乱の中でも戻れる軸というか約束事としていいですね。

嘉数:CuboRexのメンバーが5〜7名の頃までは、会社やメンバーの方針と寺嶋の希望が異なった場合、私はソロプレイヤーとして大きなパワーを持つ寺嶋を優先していました。新しく入ってきたメンバーに「寺嶋は変わった人かもしれないけれど、めちゃくちゃ動いてくれて有り難い。一緒に仕事していると分かるよ」と。

― 確かに、寺嶋さんの0→1のパワーというか、求心力の高さには目を見張るものがあります。

嘉数:ただ、メンバーが8名を超えたあたりから「もうこれは違うぞ」と変わっていきました。私も事業を立ち上げてきた側の人間なので、メンバーと会話が噛み合わない瞬間はありますが「メンバー1人1人と会話できるように、私たち経営陣が変わるべきではないか」と考え始めたんです。

設計思想も、ものづくりの順序も、性格も。真逆の2人に起きた転機

― お二人はお互いのどのようなところがすごいと思いますか?

寺嶋:嘉数は技術にしろ何にしろ、探し出してくる能力がすごい。よくこんな技術や事業を見つけ出してくるよね、私には嘉数ほどの目利きはできないな、と。私が「こういうのが欲しい」と考えていると必ず見つけて事業に取り入れていくんです。

嘉数:寺嶋は放っておいても何かをしてくれます。本当にどんなことでもするので、社内外で何かしらの問題は起きますが(笑)それでも、何かをすると何かが起きます。そこで、会社として取捨選択していくと物事が前進する。特に起業したばかりの頃って、何をしていいか分からず手が止まってしまうのに、寺嶋はひたすら何かをするんです。寺嶋がエネルギッシュにアクションしてくれることで本当に救われましたね。

代表取締役社長の嘉数さん

寺嶋:私が通っていた大学院の研究室に「論よりRun」という言葉が貼ってありました。論じるよりも走れ、と。

― エネルギッシュに行動し続ける創業期にぴったりの言葉ですね。今日のCuboRexがあるのは、そんな寺嶋さんとそれを冷静に判断してきた嘉数さんの貢献があると思います。そんな真逆の能力を持ったお二人が、どのように代表交代という結論に至ったのでしょうか?

嘉数:2021年から社内・社外に分けて共同代表を務めていたのですが、2022年の秋に寺嶋が体調を崩したことがきっかけです。本格的に体調を崩す少し前から、寺嶋は仕事がトーンダウンしていたし、レスも遅かったり少なかったりしていました。「こんな状態だと会社は潰れるな。代表交代かな」と考えていました。寺嶋が休養に入ったことを機に腹を割って話し合いを続けた結果、2023年1月上旬には代表を交代する方向で落ち着きました。

― 寺嶋さんは「やろう」と思っても空回りして体調が悪くなってしまった時期、どのような思いで過ごしていましたか?

寺嶋:当時は仕事の出力が本当に上がりませんでした。出力を上げたとしても、上げたこと自体が問題になる。社長の行動はメンバーへの影響が大き過ぎるんです。今振り返ってみると、メンバーとのコミュニケーションが取れていなかったし、取ろうとも思わなかった。自分なりに状況に対する課題を持っていたし「問題があるのに動いたらダメなのか?」と負のスパイラルに陥っていました。

嘉数:社長という役割では、雑に動く場合でも一定の精度やコミュニケーションが求められるな、と。それは社外より社内からの方が大きくて、私は一番近くで見ているから余計にそう感じていました。会社規模が20名に差し掛かる頃には、各メンバーから「寺嶋さん、もうちょっと考えてほしい。事前に少し共有してくれるだけでいい」という声が多くなっていったんです。

事業成長を加速化させることでステークホルダーに正解を証明したい

―今回の社長交代の決定は、社内のメンバーやステークホルダーへどのように説明していきましたか?

寺嶋:まず、社歴の長いメンバーやコアメンバーを集めてこれまでの事情を説明しました。メンバーたちは断片的に理解していましたが、「こういう形でまとまりました。今後はこんな感じに発信していきますが、まずはみんなに伝えます」と発表して、何かあった時にコアメンバーがフォローできるようにしました。次に、2月6日に社員とメンバー全員を集めて状況の説明と引き継ぎをするべく「代表引き継ぎ式」を開催しました。みんながこの状況を見届けたという感じですね。その上で新体制で新年度を迎えられるように頑張っていこう、と。

― 代表のお二人が「こうします」と宣言したことに対して、メンバーからの反応はいかがでしたか?

寺嶋:みんなには社長交代の背景や今後の方向性を丁寧に説明したのでポジティブに捉えてくれたと思います。むしろここまでの状況に違和感を抱いていたのは私だけではなかった。組織の仕組みを作っている時間がなく、マンパワーで乗り切っていたのだな、と。

今後のことは、きっとメンバーの方が周囲から聞かれると思うんですよ。皆さんは私や嘉数には直接は聞きづらいので。なので、「代表引き継ぎ式」という形で現メンバーに見届けてもらったのは良かったですね。

左:代表取締役社長の嘉数さん 右:共同創業者の寺嶋さん

― メンバーの不安を払拭するために意識したことはありますか?

寺嶋:事実が揺らがないこと、それが一番重要です。私から聞いたことと、嘉数が言っていたことに齟齬がないことは重要です。

― 株主やお客様、ステークホルダーはどのような反応をしていましたか?

寺嶋:やはり驚いていらっしゃいましたね。今後の事業成長に向けて嘉数が引き継ぐことへの安心感と期待をご理解いただきました。一方、私とプライベートで親しい方々は心配してくださっています。私たちを比べると分かりますが、私は純粋なキャラで、嘉数はいろんなことを考えられる賢いキャラ。有り難いことに「寺嶋さんのいないCuboRexなんて想像できない」というメッセージも沢山頂きました。

嘉数:引き継ぐ私としては、今後もCuboRexの事業を成長させていくことでこの決断が正しかったと証明するしかありません。そのためにも長文のインタビュー記事を公開すると決めたんです。新体制の発表と同時に自分たちの言葉で伝えよう、と。

― 今回の交代のお話を伺って、スタートアップの組織拡大に伴い、経営判断の方法やマネジメントも変わっていくのだと改めて感じました。現在同じような渦中にいるスタートアップの経営者に今回の学びからアドバイスするとしたら、どのようなことが言えますか?

寺嶋:組織のフェーズを意識することです。例えば、仕組みを作るよりもマンパワーで進めた方がパフォーマンスが出るタイミングと、マンパワーで進めたらメンバーの足を引っ張ってしまうタイミング。仕組みを作って組織の動き方を決めた方がもっとパフォーマンスが出るフェーズがあって、その境界は明確。自分が動いた時に足を引っ張られている感覚があったら「自分が変わるか。それとも組織を変えるか」という選択肢を持つことをおすすめします。あやふやのままだと将来へ負債を残すので「今、変わったよ」と何らかの形で伝えるのがいいのではないでしょうか。

嘉数:ここまで組織を運営してきて思うのですが、経営者自身が「今、どこにいるのか」を分からなくなることが多いように思います。経営者は怖がらずに、メンバーの声を常に聞くことが重要じゃないかな、と。「私はできている・できていない、どちらだろうか?」とメンバーに問いかけてメンバーの本音を素直に飲み込める社長ってどれだけいるのかな・・・。めちゃくちゃしんどいけれど、やらないと前には進めない。その後、代表を交代するという選択をするのかもしれないし、自分が生まれ変わろうと覚悟するのかもしれないですが、必要な組織の開発工程だと思います。

新体制発進「大手企業に眠る技術もCuboRexを通せば売れる製品に」

― 嘉数さんは今後、CuboRexをどのような事業にしていきたいですか?新しくロゴも変更していますね。

嘉数:はい。弊社は「不整地産業のロボティクス」というくくりで事業を推進していますが、なぜか「スマート農業ベンチャー」と呼ばれることが多くて困っています。間違ってはいないんですが、それは「不整地産業をアップデートできる存在」という目標のほんの1要素でしかないので、私たちはもっと大きな枠でお客様や社会へ貢献したいと考えています。

私たちはこれからの5カ年計画でも、建築・建設・プラントといった設備管理の分野で検査や清掃のロボットを開発しているので、農業要素は全体の20%程度です。以前のコーポレートカラーでは農業をイメージしてしまいがちな青と緑を使っていましたが、工業感が伝わるように黒とオレンジのコーポレートカラーへ変更しました。

さらに、今まではさまざまな技術を組み合わせて世の中にない、売れるものを作っていましたが、今はモーターやモーターコントローラーを作るなど技術的な事業領域を広げつつあります。CuboRexは1から10まで作れる硬派なテクノロジーベンチャーであり、壊れない、強い、どこでも走れるロボットをPRしていきたいです。

CuboRex社の電動クローラユニット

― 嘉数さんは今後、どのように経営を心がけていくのでしょうか?

嘉数:まず、常に新しいことはやる。将来のためのR&D的な要素は、弊社にとって重要なアクションだと考えています。「やりたい」とエンジニアが言ったらその技術開発をまずはやってみる。それはすぐには売上に繋がらないかもしれないけれど、本気でやりたいことであれば何かは生まれ、十分な期待値はあるんじゃないかと思っています。

CuboRexではクローラーロボットと一輪車電動化キットを販売していて、今では大きな売上となっていますが、クローラーロボットは寺嶋が、一輪車電動化キットは嘉数が何となく作りたくて作ってみたのが始まりです。試しに作ったものを世の中にオープンにしていくと「この形にしたら買う」など、皆さんがこぞって反応してくださるのでここまで形作られてきました。

ただ、これからのCuboRexはさらに進化したいと思っていて、より複雑性の高い施設管理ロボットの開発に挑んでいます。技術力をベースに困難な課題を解決することが将来の売上に繋がっていくので、その両輪で注力していきたいです。

― CuboRexの「まず作ってみる」というコアを活かしつつ、事業を広げていくのは素晴らしいですね。新たなコーポレートロゴにある「CRAWL YOUR FIELD(クロール ユア フィールド)」に込めた思いはありますか?

嘉数:今後、海外でも製品を販売していく予定なのでどこでも使えるスローガンを作ろうと思って考えました。「CRAWL YOUR FIELD」は「クローラー」から派生していて、CRAWLには地を這う、動くという意味があります。「私たちはあなたの周りをどこでも這いずり回りますよ。行けるところまで行きます、どこでも走ります。どこまでも走ります」と謳っています。

寺嶋:「CRAWL YOUR FIELD」と聞いた時「いいんじゃない?」と思いました。嘉数がどんな意図で言ったかもすんなり理解できますし、私たちの強みは、技術をモジュールに落とし込むことによって、後からでも市場に対して当て込めるようになっていること。これまでのハードウェアスタートアップにはない考え方です。

― 「フィールドをクロールしていく」、いいコピーですね。今後のリリースやプロダクトについてお聞かせください。

嘉数:今後、大手企業と提携した商品のリリースを複数予定しています。多くの方がイメージするのは「スタートアップの技術と大手企業の顧客基盤を使って事業提携をする」ことですが、CuboRexはそれだけに留まりません。大手企業に眠っている技術を、CuboRexを通して市場に出していきます。

例えば、モーターメーカーの中に高出力モーターの新技術が生まれていますが、新しい技術の製品は物は良くても現行品よりは高いことも多く、ニーズが掘りきれず、世に広がるまで時間がかかります。CuboRexは世の中の新しいニーズを日々受け取りながら製品開発をするポジションにいるので、「どういうスペックでいくらのモーターならCuboRexは年間2000個消費するし、他のメーカーにも何個売れるはずだ」という確度の高い提案が可能です。メーカーの特許技術を使って一緒にモーターを1から開発しています。大手企業がもともと持っていたコアな技術を、市場に対して売れる形でCuboRexがまとめ上げて製品化するという取り組みです。これは業界としてはめずらしく、自信があります。権利関係などについても商売の基本を押さえて実施しています。

― 最後に、寺嶋さんから嘉数さんへのメッセージと、嘉数さんから寺嶋さんへのメッセージをお願いします。

寺嶋:ここまで一緒に成長させてくれてありがとう。不整地事業の成長に向けて私からCuboRexを受け取ってくれて、ありがとう。受け取ってくれる人ってそんなにいないので心から感謝しています。今後の関わり方は違いますが、大きなミッションの元での想いは同じだと思っています。

嘉数:今後も新しい関係性のもと、ともにCuboRexや不整地産業の成長に関わっていきたいです。目指している方向に対して体制が変わったのだと受け取っています。

― 次のフェーズでのお二人の関係性も楽しみですね。

寺嶋:これまでCuboRexの代表だったからできなかったこともしたいです。まずはシンプルに休憩したい。今後はステークホルダーとして外部支援を行いつつ、東南アジアでの不整地運搬とものづくりの可能性をもっともっと追求していきたいです。

(執筆:佐野 桃木 写真:Taisho 編集:Onlab事務局)

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