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【スタートアップの補助金・助成金活用】申請から採択・交付決定まで流れを解説

【スタートアップの補助金・助成金活用】申請から採択・交付決定まで流れを解説

【プロフィール】
Open Network Lab 原 大介

2005年慶応大学卒業、公認会計士試験合格。2007年より新日本有限責任監査法人勤務。金融業や製造業等の様々な業務の監査に従事。2012年より2年間、アメリカ・シリコンバレーに出向、現地でアメリカ企業の上場を支援(3社)。2015年より、不動産ビッグデータを利用したコンサルティング会社・ゴミを原料としたケミカルリサイクルを営む会社でCFO。エクイティのみならず、デットや助成金等の様々な資金調達手法に精通。現在までの累積調達額は130億円超。

こんにちは。原大介です。私は、デジタルガレージのOpen Network Lab(以下、Onlab)で、主にプレシード〜シリーズA前後のスタートアップ向けにファイナンスの支援をしています。具体的な支援内容としては、各社の資本政策を一緒に検討したり、事業計画を一緒に作ったり、金融機関や他の専門家を紹介しています。私が支援する多くのスタートアップがそうであるように、アクセラレータプログラムに参加するステージのスタートアップは資金調達が思うようにうまくいかないという課題を抱えています。

この記事では、そんなスタートアップの課題や間違いやすいポイントにフォーカスし、ファイナンスについてより具体的に理解してもらうことで解決していければと思っています。今回はあまり説明されることがない、補助金・助成金について、実際のある会社の申請から入金までの流れと押さえておきたい5つのポイントを解説します。(当該会社には許可を頂いてご紹介しています)

補助金・助成金の種類と特徴とは?

補助金・助成金とは、国や地方公共団体から支出されるもので、特徴としては、①返済不要である、②採択後こちらが経費を支出し、その金額に対して補助をもらえる(1/2または2/3)、③審査がある場合と要件を満たせば受給できるものがある(一般的には補助金は審査がある、助成金は審査がない)といった特徴があります。また、認められる経費の範囲は補助金・助成金の種類によってそれぞれ異なります。

資金繰りに苦労しているスタートアップにとって強い味方になるのが、補助金・助成金です。特に、政策金融公庫の創業融資は既に実行済み、エクイティでの調達は当面先の予定で事業のマネタイズにももう少し時間がかかるといったスタートアップには、大きな追い風となります。

・代表的な助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html

・代表的な補助金
https://seido-navi.mirasapo-plus.go.jp/?_ga=2.11614135.2093927186.1621466489-696503019.1621466489

持続化補助金IT導入補助金ものづくり補助金

申請例 「非対面型サービス導入支援事業」の場合

では補助金・助成金の申請〜振込完了までにはどのぐらいの期間と作業が必要になるのでしょうか?今回は実際に申請を行なったとある会社の例をご紹介したいと思います。

この会社が行なったのは「令和2年度 非対面型サービス導入支援事業」という助成金です。(既に終了しているため、同じ支援事業への申込はできません)

この助成金は、都内中小企業者に対し、非対面型サービス【顧客と直接会わずに提供するサービス】の導入に取り組む費用の一部を助成することにより、新たな生活様式の実践と3密(密閉、密集、密接)回避を前提としたビジネスモデルへの転換を後押しし、都内中小企業者による経済活動の推進に寄与することを目的としています。

事業概要応募要項はこちら

2020年
6月18日 募集開始
7月中旬 応募要項を参考に自社での申請内容を決め、申請書の作成、添付書類の準備
7月30日 締切の7月30日ギリギリで、申請書の提出完了(郵送のみ)
※今回の助成対象経費は「ホームページ制作」と「顧客へのファイルの受渡に使うシステム」に設定
9月下旬 採択審査が遅れている旨の連絡が東京都中小企業振興公社からあり
10月28日 東京都中小企業振興公社から採択連絡あり
※採択確定が遅延した結果、経費対象期間が、10月末→11月末に変更になる
11月中 今回の助成事業である「ホームページ制作」と「顧客へのファイルの受渡に使うシステム」を開発・制作する
12月10日 実績報告書を提出 ※締切は12月15日
2021年
1月中旬 東京都中小企業振興公社から実績報告書、完了検査について問い合わせあり
1月下旬 問い合わせの内容をDVDに記録したものを送付
3月16日 完了検査・審査、助成金額の確定し、助成金確定通知書を受け取る
3月17日 印鑑証明書を用意して請求書を発送
4月上旬 助成金の振込完了

振り返ってみると申請から振込までは約10ヶ月。意外と長いプロセスだったことが分かります。

申請をする時に押さえておきたい5つのポイント

そんな10ヶ月の流れの中で、申請〜振込完了までの中で押さえておくべきポイントをまとめてみました。

① 補助金・助成金は、採択審査があるかを確認すること

今回のように採択審査がある場合は、結果が出るまで助成金額が確定しません。一部、キャリアアップ助成金のように条件を満たせば通るものもあります。

② 審査方法が、随時の場合は早めに申請した方が有利になる

随時審査の場合は、できるだけ早めに申請した方が早く採択通知が来る傾向にあるようです。予め申請内容が決まっている場合は、早めに準備をすることをおすすめします。

③ 見積書は申請時に確定しておくものがあるので注意すること

今回は、事前に見積書等を決定しておく必要がある申請でしたが、補助金・助成金によっては、採択後に見積書を取る場合もあります。補助金・助成金の対象条件を確認するようにしましょう。

④ 事業に関する支払い等が対象期間内で完結しているか確認すること

事業に関する契約、購入、支払い等は、助成対象期間におさめる必要があります。例えば、事業経費をクレジットカードで支払い、その引き落とし日が助成対象期間の翌月だった場合には、経費として認められないこともあるので、しっかり把握しておかないと思わぬ落とし穴にはまることになります。

⑤ 補助金・助成金の趣旨に合った使い方で無駄な支出はしない

補助金・助成金の趣旨に照らして、とにかく最小限のコストで対象事業を構築できるように心掛けることが大事です。あくまで支出に対しての助成であるため、限度額上限の助成金を受けるために本来必要のないものを購入したり、補助金・助成金をより多くもらうために多く払ったりしてしまうと本末転倒なので注意が必要です。

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最後に、補助金・助成金は上手く活用するとスタートアップの大きな味方になります。起業にまつわる相談や、プロダクトやファイナンスに関することなど事業相談会でいつでも受け付けております。 また、定期的に勉強会やイベントも開催していますので、Twitter / Facebookも是非フォローお願いします。

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