
日本の起業家が世界へ羽ばたく支援を — Open Network Lab創設者の想い
November 22, 2016 3:00 pmOpen Network Lab は「世界に通用するプロダクトを作り上げるスタートアップの育成」を目的に2010年にスタートしました。立ち上げには、20年以上前に遡るデジタルガレージの創業背景と共通する想いが込められています。日本という枠を超えて発想されたその世界観を、創設者・林郁の原体験から紐解きます。 ・ ・ ・ シリコンバレーの起業支援スピリットを体感できる日本で唯一のプロジェクト 2016年Onlab第13期Demoday最優秀賞の学習塾業務管理のComiru栗原さんと Open Network Lab(以下、Onlab)は、グローバルに活躍するスタートアップの育成を目的に、2010年4月にスタートしました。 公募選抜制のシードアクセラレータープログラムなどを行う「インキュベーション」、シリコンバレーなど海外で活躍するスタートアップとのミートアップやスペシャリストを招いた講演などを行う「イベント」、それらの活動で形成された「コミュニティ」を通じて、スタートアップを育成・支援しています。 特に、シードアクセラレータープログラムでは、3ヶ月間でスタートアップの育成を行っており、これまでに75社(2016年10月時点)もの国内外で活躍するスタートアップを輩出しています。 本プログラムでは、多数の応募者の中から複数回の審査を通じて、「事業アイデア」「マーケットサイズ」「経営者やチームメンバー」を吟味しスタートアップを採択。そして、そのスタートアップを成功に導くために、活動資金やコワーキングスペース(代官山・鎌倉・サンフランシスコ)、さらに経験豊富な国内外のスペシャリスト(メンター)のアドバイスが受けられるような機会を提供しています。 Onlabの創設者である林郁(はやし かおる)は、他社のアクセラレータープログラムでは採択されないようなスタートアップも幅広く採択していると自負しています。まだIoTが注目されていない時代に採択した「WHILL」はその象徴です。WHILLは、脚が不自由であったり、遠距離を歩くのが困難な人たちがかっこよく移動できるパーソナルモビリティを提供しています。 「WHILLは当時、『マーケットもないし車椅子のスタートアップ?そんなのダメですよ』という声もありました。けれど需要もあり、車椅子のあり方を変える可能性があると思い、採択したんです。良いアイデアやチームであれば、業界業種のストライクゾーンを広くとっています。一見なんてことのないものにこそ、面白さがあるんですよね」(林) さらに特徴的なのは、プログラム卒業後にアメリカに渡り、シリコンバレーの投資家やベンチャーキャピタルから出資を受けるスタートアップが何社も出ていること。Onlabでは、スタートアップが活躍する舞台、狙うべきところは世界だと考えています。 シリコンバレーでは、新しいアイデアや若い起業家への理解があり、投資に対するシステムやマインドも成熟しています。そのため、今でこそシリコンバレーに出向く企業は多いですが、創業時から築いてきた現地のスタートアップや投資家との繋がりは、Onlabの強みなのです。 「なかなか今の日本では若い人が起業するチャンスも少ないし、師匠やメンターもいない。それにアメリカのように投資システムのバックグラウンドも整っていません。それを私たちが資金面やオフィス空間などの設備面、そしてビジネスのアドバイスという面でもサポートすることで、日本からグーグルやヤフーのような会社が出てくるといいな、と」(林) トライアンドエラーの繰り返し... View Article