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事業のブラッシュアップに最も必要だったのは「人」|Meet with Onlab grads vol.1

事業のブラッシュアップに最も必要だったのは「人」|Meet with Onlab grads vol.1

September 28, 2018 3:00 pm Published by

Open Network Lab (以下、Onlab)は「世界に通用するスタートアップの育成」を目的に、Seed Accelerator Programを2010年4月にスタートしました。1. 事業成長と投資の両側面からバランスの取れた支援を行う「インキュベーション」、2. シリコンバレーなど海外で活躍するスタートアップやスペシャリストを招聘した「イベント」、3. 起業家同士が切磋琢磨し合うことができる環境を提供する「コミュニティ」を通じて、これまで90社以上のスタートアップを支援・育成してきました。 今回は、OnlabのSeed Accelerator Programを卒業した13期生Xpresso田中仁さんをインタビュー。Onlabに入ったきっかけ、プログラム期間中の経験やサービスグロースの苦労についてお話しいただきました。 < プロフィール > Xpresso, Inc. CEO 田中 仁... View Article

Meetup 生命倫理 ー Futurist Meetup第9回『胚培養士・法哲学者と考える生殖医療の未来』報告書(後編)

Meetup 生命倫理 ー Futurist Meetup第9回『胚培養士・法哲学者と考える生殖医療の未来』報告書(後編)

August 24, 2018 4:00 pm Published by

後編〜法哲学者・吉良さんのお話〜 前回の記事では、2018年8月22日に開催されたイベントFuturist Meetup第9回『胚培養士・法哲学者と考える生殖医療の未来』の中から、胚培養士である川口さんの講演『生殖補助医療(ART)の現状から、未来のARTを考える』についてまとめた。 今回の記事では、法哲学者である吉良先生の発表『生殖技術とその規制』についてまとめていく。法哲学は「問いかけ」を重視する学問である。生殖技術が関係すると考えられる様々な倫理的問題について、具体的な解決策を提示するというよりは、どのような観点から問題が提起されうるのか、が述べられている点について、予めご留意いただきたい。 < プロフィール > 法哲学者 吉良 貴之 法哲学専攻。東京大学法学部卒、同大学院法学政治学研究科満期退学。現在、宇都宮共和大学専任講師、ほか東京大学・立教大学等で関連する講義を担当。「法」と「時間」が関わる問題に関心があり、地球環境問題から生殖倫理まで、様々な形での「世代間の正義」、そしてその基盤としての科学技術の社会的あり方を考えている。 個人ページ: http://jj57010.web.fc2.com/ Twitter: https://twitter.com/tkira26 議論するためのいくつかの枠組み 吉良: まず、この問題を議論するための前提として、生殖技術のどの段階を問題にするのかについて考える必要があります。技術が関わる倫理や法規制を考える際には、その技術が過渡期の状態のものであるのか、理想的な状態のものであるのかの区別が重要になります。発展途中の技術の倫理や法規制を考える場合は、技術には不確実な部分があることを前提とし、それに応じて安全と言えるラインを定め、そのラインを遵守させる形での規制が考えられます。考え方の例としては、1990年代頃に欧米を中心に取り入れられてきた「予防原則」があります。一方、理想的な状態にある技術を想定して倫理や法規制について考える場合は、技術的なリスクというより、さらに原理的な問題に取り組むことができます。ただ生殖医療の場合は、過渡期の技術的な問題と、原理的な問題が必ずしも分けられずに考えられていることが多い印象を受けています。もちろん、分けにくい場合が多いことは確かですので慎重になる必要はありますが、ひとまず以上の区別をしてみると見通しがよくなるかもしれません。 吉良: 生殖技術の倫理・法規制について、他の倫理・法規制との違いは何かといった比較も非常に重要だと考えています。2つの例を挙げてみましょう。 吉良:... View Article

Meetup 生命倫理 ー Futurist Meetup第9回『胚培養士・法哲学者と考える生殖医療の未来』報告書(前編)

Meetup 生命倫理 ー Futurist Meetup第9回『胚培養士・法哲学者と考える生殖医療の未来』報告書(前編)

August 23, 2018 4:00 pm Published by

前編〜胚培養士・川口さんのお話〜 Robert EdwardsとPatrick Steptoeの手によって、世界初の体外受精児が誕生してから40年。2017年の日本産科婦人科学会の発表によると、現在の日本では約19.7人に1人の赤ちゃんが体外受精によって産まれている。 政府による女性の活躍推進や晩婚化を背景に、生殖医療を受ける患者の数は90年代初頭から増加の一途を辿り、今後もその数は増加を続けていくと考えられる。 そんな生殖医療の未来について考えるイベントFuturist Meetup第9回『胚培養士・法哲学者と考える生殖医療の未来』が2018年8月22日に開催された。 イベントでは、胚培養士・川口優太郎さんと法哲学者・吉良貴之さんのそれぞれによる講演が行われた。本記事では前半パートとして、胚培養士の川口優太郎さんからの講演『生殖補助医療(ART)の現状から、未来のARTを考える』についてまとめていく。 < プロフィール > 胚培養士 川口 優太郎 埼玉医科大学卒業後、総合病院勤務を経て国際基督教大学大学院博士前期課程にて生命科学を専攻。大学院修了後は、加藤レディスクリニック(新宿区)に勤務し、同クリニックの系列病院となる中国上海永遠幸婦科医院の立ち上げにも携わり、培養室の運営や現地スタッフの育成指導を行う。2018年より桜十字渋谷バースクリニック培養室の室長を務める。 桜十字渋谷バースクリニック: https://www.sj-shibuya-bc.jp/ ARTの現状 1990年代初頭には約320名に1人の割合でしか存在しなかったART出生児は、2017年には約19.7人に1人の割合まで増加した。川口さんは、ART出生児が増えた背景には様々な要因が考えられるが、中でも次の3つの要因を指摘している。 川口: 1点目の要因は、日本人が男女共に妊娠やARTの知識が不足していることです。2013年にHuman... View Article

日本の起業家が世界へ羽ばたく支援を — Open Network Lab創設者の想い

日本の起業家が世界へ羽ばたく支援を — Open Network Lab創設者の想い

November 22, 2016 3:00 pm Published by

Open Network Lab は「世界に通用するプロダクトを作り上げるスタートアップの育成」を目的に2010年にスタートしました。立ち上げには、20年以上前に遡るデジタルガレージの創業背景と共通する想いが込められています。日本という枠を超えて発想されたその世界観を、創設者・林郁の原体験から紐解きます。 ・ ・ ・ シリコンバレーの起業支援スピリットを体感できる日本で唯一のプロジェクト 2016年Onlab第13期Demoday最優秀賞の学習塾業務管理のComiru栗原さんと Open Network Lab(以下、Onlab)は、グローバルに活躍するスタートアップの育成を目的に、2010年4月にスタートしました。 公募選抜制のシードアクセラレータープログラムなどを行う「インキュベーション」、シリコンバレーなど海外で活躍するスタートアップとのミートアップやスペシャリストを招いた講演などを行う「イベント」、それらの活動で形成された「コミュニティ」を通じて、スタートアップを育成・支援しています。 特に、シードアクセラレータープログラムでは、3ヶ月間でスタートアップの育成を行っており、これまでに75社(2016年10月時点)もの国内外で活躍するスタートアップを輩出しています。 本プログラムでは、多数の応募者の中から複数回の審査を通じて、「事業アイデア」「マーケットサイズ」「経営者やチームメンバー」を吟味しスタートアップを採択。そして、そのスタートアップを成功に導くために、活動資金やコワーキングスペース(代官山・鎌倉・サンフランシスコ)、さらに経験豊富な国内外のスペシャリスト(メンター)のアドバイスが受けられるような機会を提供しています。 Onlabの創設者である林郁(はやし かおる)は、他社のアクセラレータープログラムでは採択されないようなスタートアップも幅広く採択していると自負しています。まだIoTが注目されていない時代に採択した「WHILL」はその象徴です。WHILLは、脚が不自由であったり、遠距離を歩くのが困難な人たちがかっこよく移動できるパーソナルモビリティを提供しています。 「WHILLは当時、『マーケットもないし車椅子のスタートアップ?そんなのダメですよ』という声もありました。けれど需要もあり、車椅子のあり方を変える可能性があると思い、採択したんです。良いアイデアやチームであれば、業界業種のストライクゾーンを広くとっています。一見なんてことのないものにこそ、面白さがあるんですよね」(林) さらに特徴的なのは、プログラム卒業後にアメリカに渡り、シリコンバレーの投資家やベンチャーキャピタルから出資を受けるスタートアップが何社も出ていること。Onlabでは、スタートアップが活躍する舞台、狙うべきところは世界だと考えています。 シリコンバレーでは、新しいアイデアや若い起業家への理解があり、投資に対するシステムやマインドも成熟しています。そのため、今でこそシリコンバレーに出向く企業は多いですが、創業時から築いてきた現地のスタートアップや投資家との繋がりは、Onlabの強みなのです。 「なかなか今の日本では若い人が起業するチャンスも少ないし、師匠やメンターもいない。それにアメリカのように投資システムのバックグラウンドも整っていません。それを私たちが資金面やオフィス空間などの設備面、そしてビジネスのアドバイスという面でもサポートすることで、日本からグーグルやヤフーのような会社が出てくるといいな、と」(林) トライアンドエラーの繰り返し... View Article